エコで快適なタスク空調を開発

Personal, Passive, Portableな空調を実現

プレスリリース

株式会社大林組
ピーエス株式会社

株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:白石達、以下「大林組」)とピーエス株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:平山武久、以下「ピーエス」)は、省エネルギーで快適なタスク空調を開発しました。

オフィスの冷房時に、室内全体(アンビエント空間)を快適な室温より少し高い温度であるクールビズ対応の運用とし、個人のデスク周り(タスク空間)のみを快適な温度とする(暖房時はその逆の設定)タスク・アンビエント空調が省エネ省CO2の観点から注目されています。
従来は天井や床、パーティションから吹き出す気流によって、タスク空間の空調が行われていましたが、体に直接気流が当たり続けると冷えすぎるなどの不快感を生じることが欠点でした。この問題を解決するため、大林組はタスク空調に放射パネルを用いるタスク・アンビエント空調「O-TASC」を考案し、開発を進めてきました。
この「O-TASC」のために、今回二社で共同開発したタスク空調は、自然対流を促進させる形状をしたコイルをパネルで挟み込んだパーソナルタスクパネルをデスク周りに設置し、そのコイルに冷水・温水を通水する事で、放射および微風速のやわらかな気流によりタスク空間を空調します。
例えば個人のデスク周りのローパーティション等にパーソナルタスクパネルを設置し、本人の好みに応じてON/OFFすることで、少ないエネルギーで執務者の快適性を確保できます。


<~Personal~ パネルを用いたタスク・アンビエント空調による省エネルギーの実現>

夏の場合は、アンビエント空間の設定温度を28 ℃とする事で省エネを図りつつ、タスク空間の設定温度を1~2℃下げることで、冬の場合は、アンビエント空間を20℃、タスク空間の設定温度を1~2℃上げることで、快適性に配慮しながら、一般空調と比較して20~30%のCO2排出量を削減するという省エネルギーを実現します。(図1参照)


<~Passive~ 人体に直接気流が当たり続ける不快感の改善>

このタスク空調は、ファンを使って風を起こすのではなく、以下の3つの要素により、人に直接気流を吹き付けないで空調します。そのため不快感を生じることがなく、静音で振動が少ない空調方式として、タスク空間である机周りの環境を快適に保持します。(図2参照)
① パネル表面からの放射
② パネル表面及びパネル内部からの自然対流によるやわらかな気流
③ ①②によって冷却・加熱された什器からの放射


<~Portable~ オフィスレイアウトへの変更追従が容易>

パーソナルタスクパネルへの通水には、フレキシブルな冷温水コードを用います。同コードの接続はワンタッチで簡単に着脱できる形となっているため、冷房の際には机上、暖房の際には足元に動かすことができるだけでなく、レイアウト変更の際も容易に移設が可能となっています。



このタスク空調は「RFIDタグ」による在席制御(注1)と組み合わせ自動的にON/OFFをすることで、さらに無駄を省いた省エネが可能となります。
この空調方式は、現在建設中の大林組技術研究所 新本館「テクノステーション」(2010年10月完成予定)に設置される予定です。

大林組は、技術研究所新本館で実現する“省CO2を実現する建築・設備技術”を今後も展開してまいります。
ピーエスは、「温度と湿度の専門企業」として、放射と自然対流による空調技術を通し、省エネルギー・省CO2とともに、より健康的で快適な室内環境を追求してまいります。

なお、これらの開発にあたり、被験者試験、実測評価に関して、工学院大学工学部建築学科 野部 達夫 教授のご協力を得ています。


※「O-TASC」とは大林組が提案するタスク・アンビエント空調で“Obayashi-Task Ambient Smart Comfortable(air conditioning system)”の略。


(注1): RFID(Radio Frequency Identification)
メモリ機能を持つICチップを内蔵した“RFIDタグ(ICタグ)”にデータを格納し、ヒトやモノや場所に貼付。電波を用いてデータの読み出し・書き込みを行い、対象を一つ一つ識別する自動認識方法の一つ。このタグを用いて、在席の有無を判断し、空調や照明の無駄を省く制御。既に3月に発表済み。


大林組 エコで快適なタスク空調を開発

以上

<本件に関するお問い合わせ先>

株式会社大林組
CSR室広報課
TEL:03-5769-1014

ピーエス株式会社
宮前事業所 湿度センター
TEL:03-3332-5161

プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。