世界初、オール150N/mm2強度の材料・部材を使用した超高層RC造建物を実現

フレキシブルな居住空間、耐震性・耐久性を確保

プレスリリース

(株)大林組(本社:東京都港区、社長:白石達)は、世界で初めて、モルタル、現場打設コンクリートおよびプレキャスト部材(PCa部材)の全てにおいて、150N/mm2の強度を有する超高層RC造建物を実現するための技術を確立し、このたび、野村不動産(株)発注の地上52階の超高層集合住宅で初めて採用する事となりました。

近年の超高層集合住宅においては、フレキシブルな居住空間および構造物の耐震性・耐久性の確保から、超高強度コンクリートの採用が増大しています。しかしながら、従来のモルタル材料では、PCa部材や現場打設コンクリートと同等の強度および充填性の確保が困難なため、部材強度と異なるモルタル強度に対して、実験や解析による特別な強度確認の検討を必要としていました。

今回大林組では、150N/mm2の超高強度を有するPCa部材と現場打設コンクリートを採用するにあたり、世界で初めて、接合部に使用するモルタルにも150N/mm2の強度を持たせています。これにより、強度確保の特別な検討が不要となります。また、柱本数の削減および柱断面の縮小、梁の大スパン化への対応等、設計の自由度を向上させるとともに、耐震性・耐久性の向上や長寿命化を実現することが可能となります。

大林組 世界初、150N/mm<sup>2</sup>強度の材料・部材を使用した超高層RC造建物を実現

使用するモルタルは、強度だけでなく、高い流動性を安定して確保させるため、モルタルに使用する総ての材料(セメント、骨材、混和材、混和剤)において、最適なものを選定し、混和量を設定することにより、150N/mm2以上の強度を安定的に確保でき、かつ充填性を改善することが可能となりました。
また、150N/mm2の強度を持ったモルタルは、柱目地だけではなく、鉄筋継手および主筋貫通孔への一体注入によって、当集合住宅の長期軸力が大きい1階部分の柱梁仕口部に適用する予定です。

今回の超高強度コンクリート技術を大林組で展開しているLRV(エルアールブイ)工法(※1)(RC造柱梁仕口部プレキャスト工法)に適用することで、現場作業の省力化による工期の短縮や品質の向上が図れるなど、150N/mm2級の超高強度構造体においても、より信頼性の高い建造物を提供することが可能となりました。

大林組は、今後も超高強度コンクリート技術によって、快適な居住空間と高い耐震性・耐久性による安全・安心を提供していく考えです。


※1 LRV(エルアールブイ)工法:スクライム工法(三井住友建設㈱との工法統一を行い、両社にて特許を保有

以上

プレスリリースに記載の情報は、発表時のものです。