環境配慮型の土壌洗浄プラント「アールキュービック土壌洗浄システム」を実用化

洗浄水を再利用できる完全循環型のプラントを積極的に提案していきます

プレスリリース

大林組は、重金属汚染土を浄化する際に用いた洗浄水を場外へ放流せず、100%循環使用することができる「アールキュービック土壌洗浄システム(※1)」を開発しました。このたび、(株)サン・ビック(本社:愛知県半田市、社長:柳学)の姫路事業所(所在:兵庫県姫路市)に本システムを設置するため、設計段階からプラントの製造支援、プラント建設までの全工程にわたって当社がエンジニアリングを行いました。
重金属汚染土を浄化する場合は通常、汚染土をふるい、洗浄水で浄化する「分級洗浄」という方法が用いられています。分級洗浄を行うためには、大型のプラントを用いて汚染土を洗浄し、重金属を離脱させ、清水ですすいで浄化します。これまでの洗浄システムでも、洗浄水やすすぎ水の大半は、プラント内で再利用していますが、処理過程で使用する薬剤濃度が徐々に上昇するため、一定量の水は排水する必要がありました。
このたびプラントを設置した同社姫路事業所は、瀬戸内海に隣接した立地であり、環境への配慮が厳しく求められたことから、特殊な薬剤を用いた独自の処理技術を開発し、洗浄水を場外に放流することなく、完全循環できるシステムを完成させました。

今回、大林組が提供した土壌洗浄システムの特長は下記のとおりです。
  1. これまでの洗浄システムでは、洗浄水やすすぎ水のすべてを浄化に再利用することは困難でしたが、新しく開発した薬剤と水処理技術により、無放流で完全循環利用が可能なシステムとなっています。
  2. 汚染土を敷地内で処理(オンサイト処理)する際に用いている高精度分級システムや高効率のすすぎシステムなど、様々な技術を一部改善して活用しています。
  3. 洗浄システムの装置や処理工程を見直すことにより、当社の従来型の洗浄システムと比較して、プラントの運転に要するコストを20%程度低減しています。
重金属の土壌浄化については、これまでは比較的広い敷地の浄化工事が多かったため、現場の敷地内にプラントを設置して浄化するケースがほとんどでした。
しかし今後は、プラントが設置できない小規模な現場や、住宅地に近接しているため騒音や振動の影響を考慮しなければならないケースが増加すると予想されます。このようなケースでは、その地域のいずれかの場所に完全循環型の定位置式浄化設備を設置すれば、浄化ニーズに対応することが可能となります。特に土壌汚染問題の顕在化が著しい首都圏、中部圏、近畿圏などでは、今後このような需要が増加すると思われます。

大林組では、今回設置したプラントに対する技術支援を継続して実施することでノウハウを蓄積し、完全循環型のプラントのさらなる高効率化や低コスト化を目指します。
また、上記のとおり今後、完全循環型洗浄プラントに関するニーズが増加すると見込まれることから、この技術を当社が手がけるオンサイト処理に活用するとともに、土壌洗浄工場などが設置する洗浄プラント向けに積極的に提案していきます。

※1:(1)洗浄土壌のリサイクル(Recycle:再資源化)ができること、(2)洗浄水・すすぎ水のリユース(Reuse:再利用)ができること、(3)場外処分する汚染土壌のレデュース(Reduce:発生抑制)ができることから、名称をアールキュービック(Rの3乗)土壌洗浄システムとした。


【システム概要】
 ・設置場所:兵庫県姫路市播磨区中字宝来3059-21
 ・対象土壌:重金属汚染土
 ・処理能力:40m3/時
 ・設置時期:2006年3月

Rキュービック洗浄システム
(フロー図)

アールキュービック土壌洗浄システム

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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