大林組は建築工事の全現場でゼロエミッションを推進します

建設副産物管理システムを再構築し推進体制を整備

プレスリリース

大林組は、今年度より建築工事の全現場でゼロエミッション活動に取り組むこととし、一層の環境負荷の低減を目指しています。全建築現場に展開するため、11月には社内の建設副産物管理システムの再構築を完了し、推進体制を強化します。

当社は、環境保全活動の一つとして、平成12年1月に丸の内ビルディング(東京都千代田区)と電通本社ビル(東京都港区)の建設工事に於いて、業界で初めて現場ゼロエミッションへの取組みを開始しました。13年6月にはゼロエミッションを全国に展開するなど、活動を拡大し、15年には、電通本社ビルでのゼロエミッション活動が評価され、「リデュース・リユース・リサイクル推進功労者等表彰」の最高位の賞である内閣総理大臣賞を受賞しました。
17年3月末には、ゼロエミッションに取組む現場が延べ258箇所に達しています。

昨年度は、新築の建築工事の1/3の現場でゼロエミッションに取り組みました。従来の目標は、19年度に建築現場の90%でゼロエミッションに取組むこととしていましたが、これを大幅に前倒しして、全建築現場を「ゼロエミッション現場」に指定し、活動を推進することにしました。
当社のゼロエミッション現場では、着工時に、「ゼロエミッション達成計画」(排出が予想される廃棄物の品目・再資源化ルート毎の最終処分率を考慮した工事全体の最終処分の量・率等の計画)を作成してゼロエミッションを推進します。これまでは、ゼロエミッション現場に指定された現場の担当者が、個別にこの達成計画書を作成していました。

今般、中小現場などでの取り組み強化のために、下記の通り推進体制の整備を行います。

  • 社内の建設副産物管理システムに達成計画書の作成機能を組み込むことで、全現場で同計画書を簡易に作成できるようにします。
  • これまで適宜拡充してきたゼロエミッションの社内マニュアル(実施要領)を、中小現場でも取り組みやすくなるよう再度見直しを行いました。このマニュアルは、社内イントラネットに掲載し、現場の担当者はだれでも見ることができます。
  • 今年度からは、協力会社の作業員や現場職員の教育用にゼロエミッションへの取組みを纏めたビデオを作成し、全店で活用しています。

また、これまでのゼロエミッション活動による効果は下記の通りです。

  • 廃棄物の排出量削減
    発生抑制の効果として、新築工事から排出された廃棄物(汚泥を除く)が、13年度の66万tから16年度には32万tへと、3年間で半減しました。
    削減した34万tの廃棄物をCO2排出量に換算(※(1))すると、約4,000t-CO2となり、京都議定書発効で今後益々求められる温室効果ガスの削減にも大きく寄与しています。
  • 混合廃棄物の排出量削減
    分別徹底の効果としては、混合廃棄物(新築建築工事)の排出量削減が挙げられます。中期目標として、「17年度に10kg/m2以下とする。」を掲げていますが、11年度の19kg/m2に対して、14年度・15年度は9.2kg/m2、16年度は6.0kg/m2と1/3以下にまで削減し、目標を達成しました。
  • 最終処分率の改善
    全社の最終処分率(汚泥を除く)も、11年度の13.1%が16年度には5.4%と大幅に改善しました。

大林組は今後も、環境負荷の低減を目指し、ゼロエミッションへの取組みを強化して行きます。

※(1)<CO2排出量換算値は、輸送については「運輸関連エネルギー要覧」、中間処理については中間処理業者の実測データによる。>
【廃棄物の輸送によるCO2排出量の削減】
 (廃棄物削減量)
34万t×(平均輸送距離)30km×(CO2排出量換算値)0.2kg-CO2/t・km
                 =2,040t-CO2(イ)
【廃棄物の中間処理によるCO2排出量の削減】
(廃棄物削減量)34万t×(CO2排出量換算値)6.1 kg-CO2/t
                 =2,074t-CO2(ロ)

イ+ロ=約4,000t-CO2

※(2)ゼロエミッションは本来、最終処分ゼロ=リサイクル率100%を目標とするものです。しかし、全国各地に工事現場が点在する建設業では、地域によって処理施設などのインフラの整備状況が異なるため、全てのゴミを再資源化することは難しく、一定の達成基準を設けてゼロエミッションに取り組んでいます。当社では、「汚泥を除く最終処分率5%以下又は最終処分量5kg/m2以下」という業界でも比較的厳しい達成基準を設けており、16年度迄に竣工した83の現場(ゼロエミ指定現場の7割以上)でゼロエミッションを達成しています。


以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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