大林組は、高層建物のプレキャスト(PCa)化工法において、高強度コンクリートと普通強度コンクリートを使用する部分を適切に区分けし、梁のPCa部分(※(1))と現場打ち部分(※(2))を異種強度とすることで、コストダウンや施工性の向上を図ることができる「スラビーム工法」を開発しました。 このたび、同工法に関する性能確認実験を技術研究所で行い、(財)日本建築センターのコンクリート構造評定(一般評定)を取得いたしました。 最近、柱や梁を工場で製作して建設現場で組み立てるPCa化工法を用いて高層建物を建設するケースが増加しています。PCa化工法では、通常、柱や梁の一部を工場で製作し、残りの部分を現場打ちコンクリートで構築します(図1参照)。PCa部分(※(1))と現場打ち部分(※(2))は、両方合わせて構造上の梁となるため、これまでの構造計算では、双方に同じ強度のコンクリートが用いられていました。 従来、PCa化工法を実適用する際には、梁の「※(1)」部分と「※(2)」部分についてのみ高強度コンクリートを使用し、それ以外の床スラブ部分を普通強度コンクリートとする方法(従来工法(1))がありますが、異種強度のコンクリートを現場で打ち分けることとなり、手間がかかり工期も長くなってしまいます。 また、工期を短縮するために、梁と床スラブ全体に高強度コンクリートを用いる方法(従来工法(2))もありますが、コストの高い高強度コンクリートを過剰に使用することとなり、材料費が割高となってしまいます。さらに高強度コンクリート特有のひび割れ発生を防ぐための手間が増えるという課題もありました。 以上のことから、適切な強度を保ちながら、低コスト、短工期で施工できる工法の開発が求められていました。 このたび開発した「スラビーム工法」は、これまで構造計算上、同じ強度のコンクリートを使用することとされていた、梁PCaとその上部の現場打ち部分について、異なる強度としても構造上十分であることを確認し、確立した工法です。すでにこの工法について(財)日本建築センターの一般評定を取得するとともに、特許の出願を行いました。 スラビーム工法を用いることで、必要以上に過剰な高強度コンクリートの使用を抑え、材料費を低減することができるとともに、異種強度のコンクリートを打ち分けるなどの手間が省けるので、工期短縮にも貢献します。 「スラビーム工法」の特長は以下の通りです。
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高層建物の床スラブを合理的に施工する「スラビーム®工法」を開発
スラブに対する高強度材料の過剰な使用を避けることで、コストダウンや工期短縮を実現
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プレスリリース