大林組は、京都大学防災研究所(所在:京都府宇治市)の田中哮義教授と共同で、建物内で火災が発生した際の煙層の降下時間を簡単に予測することができる計算法を確立しました。従来の手法よりも実態に即した正確な降下時間を予測できるので、安全性を確保しながら、過剰な排煙設備や避難施設などの無駄を省くことができ、さらに設計の自由度を向上させることも可能です。 建物内で火災が発生すると、有害物質を多く含む高温の煙が天井の下に煙層を形成し徐々にその厚さを増していきます。また煙は、扉の隙間や廊下、階段などを通じて広がるため、短時間で建物全体に充満することになります。 建物の利用者を安全に避難させるためには、遮煙扉や排煙設備などの防煙設備、通路や避難階段などの避難施設を適切に配置する必要がありますが、高い安全性を確保しながら快適でかつ経済的にも優れた構造とするには、正確な煙の量や煙層の降下速度を予測する必要があります。 本来、机やいす、書類などの燃えやすいもの(可燃物)が少ない場所や、スプリンクラーなどの消火設備が設置されている部屋などでは、燃焼が長時間持続しないため、火災は自然に沈静化に向かいます。しかし、従来の手法ではこの点が考慮されず、無制限に燃え続けるものとして計算されていたため、煙層の降下時間も実際より早く計算されてしまい、排煙設備や避難施設も過剰に設置されるケースが多くありました。 さらに、専門家による計算が必要だったので、例えば間仕切りのレイアウトを変更したい時でも常に専門家の判断が必要となるなど、設計者や利用者の要望が反映されにくい傾向にありました。 【新しい簡易計算法で考慮できる火災】 このたび確立した計算法は、火災が発生した部屋や避難通路での煙層の降下時間を簡易に予測することができるものです。 今回確立した計算法の特長は下記の通りです。
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火災時の煙層降下時間を正確に予測する初めての簡易計算法を確立
安全性と快適性、経済性を兼ね備えた建物を提案できます
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プレスリリース