掘進中の状況をリアルタイムに検知する「ローラーカッター検知システム」を販売

掘進効率を向上させ工期短縮に貢献します

プレスリリース

大林組は、(株)スターロイ(本社:岡山県久米郡、社長:本並義弘)と共同で、独のDMT(Deutsche Montan Technologie GmbH)社が開発した「TBM(Tunnel Boring Machine)ローラーカッター摩耗回転負荷検出システム」を日本で独占的に販売する権利を取得しました。新たに記録機能を追加するなどの改良を加えるとともに、TBMだけでなくシールドマシーンにも適用可能であることの確認を終え、今後「ローラーカッター検知システム」として国内で広く販売していきます。

トンネルを掘削する際に用いられるTBM工法やシールド工法では、掘削する地山に岩盤や大きな玉石などが存在する場合、通常は掘進機前面のカッターヘッドにローラーカッターを装備します。ローラーカッターは、カッターヘッド全体を回転させて岩盤に押し付けることでローラーカッターが自転し、硬い地盤を圧壊するものです。しかし、ローラーカッターに著しい偏荷重や掘削土砂の噛み込みなどが生じると、破損や偏摩耗が生じ、岩盤や玉石を破砕することができなくなるため、掘進速度が低下し、場合によっては掘進不能の状態に陥ります。
これまでは掘進中のローラーカッターへの荷重が測定できなかったので、過剰な負荷がかかってローラーカッターが破損する場合や、逆に破損させないために必要以上に速度を遅くして掘進させる場合もありました。
このような背景から、掘進中のローラーカッターの状況をリアルタイムに把握して効率的な掘進を可能とするシステムが求められていました。

「ローラーカッター検知システム」は、ローラーカッターに取り付けた応力センサーにより地山からローラーカッターに作用する負荷荷重を検知するとともに、磁場センサーにより摩耗量・回転状況を検知し、記録することができるシステムです。
ローラーカッターにかかる負荷荷重を直接検知して、定格荷重以上の負荷がかかった場合には掘進速度を一時的に遅くするなどの措置を講じることにより、ローラーカッターの破損を防止します。これにより、ローラーカッターの軸受け部が破損した場合に必要となる最大1ヶ月程度の交換作業が不要になります。また、負荷荷重をリアルタイムに検知できるので、ローラーカッターが破損しないように必要以上に掘進速度を遅くするなどの対策が不要で、最適な速度での掘進が可能です。
さらに、摩耗の進行状況を掘進中に確認できるので、摩耗によるローラーカッターの交換時期を特定することが可能となります。これによって、交換の際に必要となる地盤改良などの準備作業をあらかじめ実施しておくことができ、工期短縮につながります。

「ローラーカッター検知システム」の特長は次の通りです。
  1. 破損を防止し最適な掘削が可能

    掘進中のローラーカッターへの負荷荷重をリアルタイムに検知することができます。ローラーカッターの押し付け力を直接計測することができるため、例えば定格荷重を超えた場合には掘進を一時的に遅くするなどの機能を備えることで、ローラーカッターの破損を防止するとともに、最適な掘進速度での掘削が可能となります。


  2. 回転状況を検知して偏摩耗を防止

    掘進中のローラーカッターの回転状況をリアルタイムに検知することができます。正常に回転していない場合は、回転部分に噛み込んだ土砂の清掃や掘進速度の調節などによる迅速な対応が可能で、これによりローラーカッターの偏摩耗を防止することができます。


  3. 交換時期を特定して工期を短縮

    掘進中のローラーカッターの摩耗量をリアルタイムに検知することができます。これにより、摩耗によるローラーカッターの交換時期を特定することができるので、交換の際に必要となる地盤改良などの準備作業をあらかじめ実施しておくことができ、工期短縮につながります。

大林組は今後、スターロイを通じて、同システムを硬質地盤を効率的に掘削する際の技術として販売していきます。

 

ローラーカッター

以上

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