大林組は、外気温などの気象予報データをビルの空調設備の自動制御システムに活用することで、省エネ効果を高めた「空調熱源最適制御システム」を開発し、初めて実用化しました。民間の気象会社から送られる気象予報のデータを取り込んで必要エネルギー量の予測を行い、複数の設備を最も効率的な方法で制御できるので、最大の省エネ効果を実現します。 現在、東京都大田区下丸子にあるキヤノン下丸子事業所内の本社棟ほか数棟に採用し、その効果を確認しています。 近年、環境保全の重要性が高まってきており、建物における省エネ効果向上やCO2排出量の削減などが強く求められています。ビル空調の省エネ化技術として、コージェネレーションシステムや蓄熱システムなどがありますが、最近ではこれらの複数の設備機器を効率的に制御し、省エネ効果を更に向上させる技術が実用化されています。 一方ビルの空調は、(1)空調機に取込まれる外気やエントランスなどを通じて直接入ってくる隙間風、(2)窓や外壁から伝わってくる外気温、(3)コンピュータや人が発する熱、などに大きく影響されますが、このうち(1)と(2)による影響は、外気温度から予測することが可能であり、その予測に基づいて熱源の運転を効率的に行い、省エネ効果を高めることができます。これまでも省エネ効果を向上させるために気象予報データを活用する試みは実施されていましたが、そのデータを自動的に取り込んで空調設備の制御に活用するシステムを実用化した例はありませんでした。 このたび開発した「空調熱源最適制御システム」は、民間の気象会社が数時間ごとに電子メールで送信する外気温に関する気象予報データを、ビル内に設置したメールサーバーに自動的に取り込んで空調制御に活用するシステムです。取り込んだ気象予報データに加え、負荷の実測値や外気温度の実測値などを考慮して自動的に負荷予測を行います。この負荷予測をもとに、コージェネレーションや蓄熱システムなど複数の熱源を、それぞれの特性を加味した最も効率の良い制御方法を自動的に選択して実施します。 このシステムでは、経済合理性が高くなる制御方法や、CO2排出量が最も少ない制御方法などを指定することができ、ビルオーナーの要望に応じた制御を行うことが可能です。 経済合理性を重視した制御を行った場合、従来の自動制御システムに比べて、10%程度の電気料金やガス料金を低減することができます。また、CO2排出量の低減を重視した制御を行った場合には、従来のシステムに比べて、15%程度のCO2を削減することが可能です。 このシステムの特長は以下の通りです。
以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
気象予報データをビル設備の省エネ運転に活用
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プレスリリース