大林組は、鉄筋コンクリート造の建物について、建物の部材ごとの損傷度合いまで詳細に解析し、地震時の耐震性を定量的に評価できるシステム「耐震予報」を業界で初めて開発しました。地震のレベルに応じて、建物を構成する部材ごとにどの程度のひび割れが起きるかまで詳細に検証することが可能なので、新築建物の耐震性能を詳細に明示できるとともに、最も効果的で低コストのリニューアル工事を提案することもできます。 近年では、建物にかかるコストを長期的なサイクル(ライフサイクルコスト)の観点から考えるようになっており、建物を低コストで効率的に補修し、いかに長持ちさせるかが重要な課題となっています。 また最近、各地で地震が多発しており、建物の耐震性の向上が求められていますが、建物の耐震改修を行う際には、あらかじめ耐震診断を行って、改修の必要性や工事の方法を検討するケースが増えています。本年1月には日本建築学会より「鉄筋コンクリート造建物の耐震性能評価指針(案)・同解説」が示されており、今後はより詳細な耐震性能の評価が求められるものと見込まれています。 このような背景の中、様々な耐震診断のシステムが開発されていますが、従来のシステムでは、地震が起きた際に建物が具体的にどのような状態になるのかまでは予測しづらく、耐震性能を詳細に評価するシステムの開発が求められていました。 今回、開発した「耐震予報」は、RC造の建物の耐震性能を、柱、梁、耐震壁など部材毎に詳細に評価するシステムです。建物の構造や仕様などの情報をシステムに入力することで、建物の何階のどの部材がどの程度変形するのか、また、地震終了後にどのようなひび割れがどの程度生じているのか等を簡単に把握することができます。このシステムは当社が既に開発している、建物の骨組を立体的に解析するプログラム「DREAM−3D」をベースにしており、結果を数値リストと3次元の解析図でビジュアルに確認することが可能です。 「耐震予報」は、新築建物・既存建物を問わず、また地震の規模や建物の大きさにかかわらず、幅広く適用することが可能です。新築建物の場合は、設計終了時にこれから建設する建物の耐震性能を詳細に明示することができます。また、既存建物の場合には、現状の耐震性能を評価するとともに、建物オーナーが要望するリニューアル工事を実施した場合の耐震性能を評価することができます。従って例えば、建物を現状のまま使用して地震に遭った際の損傷状態と、補修工事を実施後に被災した場合とを比較し、補修後の効果を具体的に提示することができるうえ、それぞれをコスト面で比較することも可能です。さらに、どの部材にどの程度の損傷が生じているのかまで分析できるので、補修が必要な部材を特定でき、最も効果的で低コストのリニューアル工事を提案することが可能です。 今回開発した「耐震予報」の特長は以下の通りです。
以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
RC造の建物の耐震性能を詳細に評価できるシステム「耐震予報」を開発
地震による建物の被害を、部材のひび割れの程度まで評価できる初めてのシステムです
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プレスリリース