全ての無線LANの電波を吸収する工法を開発

一般建材を用いて2つの周波数帯域の電波を同時に低減

プレスリリース

大林組と横浜ゴム(株)(本社:東京都港区、社長:冨永靖雄)、(株)内外テクノス(本社:埼玉県入間郡大井町、社長:赤尾正俊)は共同で、室内における全ての無線LANの電波を吸収する工法を開発しました。抵抗値の異なる2種類の抵抗皮膜を、内装工事で使用される一般的な石膏ボードに貼り付け、アルミなどの電波反射素材と組み合わせることで、無線LANで使用されている2つの周波数帯域(2.4GHz帯と5GHz帯)の電波を同時に吸収することが可能です。石膏ボードに薄い膜を貼り付けるだけなので、新築・リフォームを問わず対応することができます。
近年、無線機器の急速な普及やネットワーク技術の進歩に伴い、オフィス内で無線LANを利用するケースが増えています。しかし、建物内の壁などで無線LANの電波が多重反射して互いに干渉するため、通信速度が低下するなどの通信障害が問題となっています。これらの問題を解決するためには、壁面で不要な電波を吸収し、反射電波量を低減する必要があります。
無線LANで使用されている周波数帯域は、使用する機器によって2つの帯域(2.4GHz帯と5GHz帯)がありますが、従来の電波吸収建材はこれらの両方の電波を同時に吸収することは困難で、全ての無線LANに対応した電波吸収工法の開発が求められていました。

今回開発した電波吸収工法は、異なる表面抵抗値をもつ2枚の皮膜を石膏ボードに貼り、アルミなどの電波反射素材と組み合わせることで、無線LANで使用される2つの周波数帯域の電波を同時に吸収するものです。
通常、内装の下地は、2~3枚の石膏ボードを重ねて施工します。この石膏ボードに、2種類の抵抗皮膜と電波反射素材をそれぞれ貼り付けて重ね合わせることで、全ての周波数帯域の電波を同時に吸収することができます。無線LANの電波が皮膜を通過して裏面の電波反射素材で反射すると位相がずれ、皮膜の表面で反射した電波と打ち消し合います。
この電波吸収工法を用いることで、96%(15デシベル)以上の不要な電波を吸収することができます。
さらに、石膏ボードなど一般的に使用される内装建材を活用しているため、仕上げの厚さも従来と同程度であり、内装の仕様を変更することなく適用することができます。

今回開発した電波吸収工法の特長は以下の通りです。
  1. 無線LANで使用される全ての周波数の電波を同時に吸収
    表面抵抗値の異なる2種類の抵抗皮膜を用いることにより、無線LANで使用されている2つの周波数帯域の電波を同時に吸収します。

  2. 内装の仕上げを特別な仕様に変更することなく施工が可能
    石膏ボードなどの一般的に使用される内装建材に抵抗皮膜や電波反射材料を貼り合わせています。厚さも従来の建材と同程度なので、新築・リフォームを問わず対応することができます。

  3. 簡単に施工が可能
    あらかじめ石膏ボードなどに抵抗皮膜を貼り合わせておけば、現場での特別な加工手間を必要としません。専門技術や特殊技術も必要なく、通常の内装工事の手順で施工することができます。

大林組では今後、更に安価な抵抗皮膜の開発を進め、無線LANを導入する新築およびリニューアル物件への採用を積極的に提案していきます。

開発した電波吸収建材の断面

以上

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大林組 東京本社 広報室 企画・報道・IRグループ
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