なんばパークスの屋上公園・打ち水ペーブで、ヒートアイランド現象を緩和

屋上公園周辺のアスファルトに比べ、最大17℃表面温度を低減しました

プレスリリース

大林組は、大林組が施工した「なんばパークス」において、屋上公園や打ち水ペーブ(※1)による熱低減効果を測定分析した結果、ヒートアイランド現象を緩和する効果、および空調エネルギーの削減効果があることを確認しました。夏季正午の屋上公園の緑化部と周辺部のアスファルト面とを比較した場合、表面温度で最大17℃の熱低減効果があり、また、屋上公園では、屋上緑化部は非屋上緑化部に比べ、屋上から室内へ伝わる熱流が1/10になることも測定により確認されました。

※1:大林組が開発した、打ち水の効果を利用してヒートアイランドを抑制する舗装システム。地下等に貯めた水を導水シートによる毛細管現象によって吸い上げ、水平方向に拡散させた後、レンガの揚水機能を活用して舗装表面を湿潤させる。なんばパークスでは、貯水方式に代えて点滴パイプによる給水方式を採用している


なんばパークスの屋上公園(パークスガーデン)は、樹木や花の自然と公園に面する商業施設が一体となって、訪れた人々に豊かな体験や感動を提供する場として設置されました。約8,000m2の屋上公園の中には、四季を演出するヤマボウシやヤマザクラといった樹木が35種類、ラベンダー、ローズマリーといった華やいだ草花が約200種類、合計約235種類の草木が40,000株程植えられおり、国内最大規模の屋上公園となっています。

今回の測定は、平成15年8月20、21、22日の3日間を通して行ないました。各測定の結果、正午における屋上公園の緑化部分の表面温度は34℃前後で、最も低いところで32.3℃となっており、周辺部の屋上駐車場や阪神高速のアスファルト部分に比べ、平均でピーク時に17℃の表面温度の低減効果が認められました。これは、屋上公園の緑地部分(3,300m2)で、ピーク時に、一時間当たりに大気に放出される熱を726,000kcal/h、100W白熱球にして8,400個分の発熱量を削減していることを意味しています。

また、屋上公園以外の周辺部分は、蓄熱効果により日没後も表面温度が高くなっていますが、屋上公園部分は、表面温度の低下が著しく、まさに「都市のクールアイランド」となっていることも確認されました。
大林組の開発した打ち水ペーブ部分では、表面温度が37℃と気温より若干高い程度と なっており、遠方に見える屋上駐車場部分や手前のカラーコンクリート部分と比較しても 10℃以上低くなっています。
屋上緑化により屋上外部から天井を通じて室内に貫入する熱流が抑制されることによる空調エネルギーの削減効果については、営業開始後一年間を通じて検証していく予定ですが、参考として、営業開始前で空調が十分されていない本測定における一日分についてみると、屋上緑化部では非屋上緑化部に比べて屋上から室内への熱流が約1/10となっていることも確認されました。

このように、なんばパークスの屋上公園および打ち水ペーブは、都市の熱環境改善および省エネルギー化に大きく貢献しています。
また、この屋上緑化による二酸化炭素の固定量は約2,700kg(CO2)/年となり、地球環境にも大きく貢献しています。
今後も大林組は、屋上公園による緑化やビオトープの創設、省エネルギー技術の開発などにより、自然環境に負荷をかけない都市づくりを目指していきます。

夏季正午における「なんばパークス」

サーモカメラ画像

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