大林組は、建築センターの建築確認を得て、日本で初めて建築構造物に斜め型永久アンカー工法を採用します。崖地や傾斜地などにも安全性の高い構造物を作ることができるので、土地の有効利用が図れるとともに、構造物を支えるための大きな基礎が不要になるので、工期短縮、コスト削減に繋がります。 斜め型永久アンカー工法は、当社を含めたゼネコン9社、専門工事業者5社で構成されるVSL永久アンカー共同研究会にて開発され、1990年に日本建築センターから構造安全性に関する性能評定を取得しています。しかし、斜め型永久アンカーの先端が隣地との境界を越えた場合、その上部の土地が、転売も含めて掘削、その他アンカーの耐力に影響を与えるような変更を受けないことを保証しなければならない などの理由により、現在まで利用実績はありませんでした。 今回、斜め型永久アンカー工法を採用するのは、「(仮称)国際医療福祉大学付属熱海病院新築工事」です。同病院は、正面が海、背面が崖地に建設されるため、崖地方向から設計地震力以上の片土圧を常時受けます。建物自体でこの片土圧を受けることも可能ですが、そうした場合、建物内部の耐震壁を増やさなければならず、建物の有効スペースの減少と自由な設計の妨げとなります。そこで大林組では、斜め型永久アンカーと、建物を免震化することの複合技術により、病院の機能性の確保と自由で経済的な設計を図る計画を提案しました。特に、建物背面側の約17mの崖地からの巨大な片土圧を受ける建築擁壁に、斜め型永久アンカーを採用することにより、通常の設計では、厚さ3.5mの鉄筋コンクリート製の壁が必要になるところ、30%薄くした2.5mの壁で耐力を確保することが可能になりました。これにより、コンクリートなどの材料が減るだけでなく、仮設と本設のアンカーを同時施工したり、建築擁壁部分の掘削土量も減るので工期短縮、コストダウンを実現できます。 今回、隣地が同病院の所有地で、所有地を超えずにアンカーを打てたこと、また、アンカー上部の土地が崖地なので、今後ほかの用途で使用予定がなかったことなどの条件を満たしていました。 「斜め型永久アンカー」の特長は次のとおりです。
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日本初、斜め型永久アンカー工法を採用
崖地、傾斜地などの土地が有効利用できるとともに、工期短縮・コスト削減が図れます
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プレスリリース