大林組は、中部電力(株)と共同で、夜間の安価な電力を利用して、床スラブ下面にあるデッキプレートの溝に冷・温風を通し効率的に躯体コンクリートに熱を蓄え、昼間の空調に利用する躯体蓄熱式空調システムを開発、実用化しました。氷蓄熱システムと併用し、効率的に運転を行うことで、低コストで快適な空調を実現します。冷房用の電気料金の試算では、システムを利用しない状態と比較して、34%ランニングコストを低減することができました。 地球温暖化防止のために電力の負荷平準化の要請が高まり、夜間電力を利用して夜間に水や氷に熱を蓄え、昼間の冷暖房に利用する蓄熱式空調システムの普及、促進が図られています。 水や氷以外にも、優れた蓄熱材であるコンクリートを利用した躯体蓄熱式空調システムがあり、熱源容量の縮小によるイニシャルコストの低減に加え、契約電力を下げることによる基本料金の節約、割安な夜間電力を利用によるランニングコストの削減を図ることができます。しかし、従来の躯体蓄熱方式は、空調機からの供給空気を直接躯体へ吹付けるため、吹付けた個所では蓄熱が進むものの、離れた場所では急激に蓄熱量が減少してしまうため、限定的な蓄熱となっていました。 大林組は、中部電力と共同で、スラブの広い範囲に効率的に蓄熱を行うことができる新しい躯体蓄熱式空調システムを開発、実用化しました。一般的に、スラブに広く利用されている凹凸形状のデッキプレート下面に蓋をして細長い空間を作り、そこに空調機から供給される冷・温風を流します。冷・温風は、長距離にわたり確実にスラブに接するため、速く、効率良く広範囲に必要な蓄熱量を確保することができます。シミュレーションでは、従来の直接吹付け式躯体蓄熱に比べ、同一の蓄熱時間で、ほぼ倍の熱量を蓄熱できることを確認しました。より速くより多くの熱を蓄えることができるので、氷蓄熱式空調システム等と併用することにより、有効に夜間電力を利用することができます。空調に必要な熱量のうち、より多くを夜間電力で賄うことで、ランニングコストを大幅に低減した快適な空調を実現することができます。 今回開発した中空デッキプレートを用いた空調システムの特長は次のとおりです。
今後、大林組は、今回開発した中空デッキプレートを用いた躯体蓄熱と氷蓄熱を組み合わせ、最も経済的かつ効率的な空調システムを提案していきます。 以上
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
低コストで快適な空調を実現する空調システム「D-STORAGE」を開発・実用化
中空デッキプレートを用いた躯体蓄熱と氷蓄熱を組み合わせた効率的な空調システム
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プレスリリース