季刊大林No.49「アカデメイア」を発刊

大林組プロジェクトチームによるアカデメイアの想定復元と考察

プレスリリース

大林組は、『季刊大林』No.49「アカデメイア」を発刊しました。哲学者プラトンが紀元前4世紀に創設した学校「アカデメイア」の想定復元と考察を、大林組プロジェクトチームが行いました。

大林組は、建設という営みの文化性をひろく紹介するため、1978年にPR誌『季刊大林』を創刊し、毎回、社内に編成した第一線の建設技術者たちのプロジェクトチームにより、わたしたち人間が、かつて何を建設してきたかをたどり、そして未来に何を建設できるのかを探り続けてきました。

今回発刊したNo.49「アカデメイア」では、哲学者プラトンが創設し、現在の「アカデミー」の語源ともなっている最初期の学校「アカデメイア」の姿を誌上で構想復元しました。
「アカデメイア」は紀元前4世紀、哲学者プラトンにより古代ギリシャの都市国家アテナイ(アテネ)の地に創設され、盛衰を繰り返しつつも、以後900年もの間、西洋哲学ばかりでなく数学、科学などの知の源泉として、その役割を歴史に刻んできました。アカデメイアは体系的なカリキュラムにしたがった高度な教育活動を行う最初期の学校であり、西洋における大学の起源とも言われています。当時の講義の方式は教師によって異なっており、プラトンは講義方式をとらず、問答形式であったと伝えられています。いずれにせよ多くの学生を対象に日常的な講義を行うため、小規模ながらも専用の施設として、小規模な講堂(エペーベイオン)、列柱廊(ストア)、体育場(ギムナシオン)、さらにプラトン私邸があったものと推定されます。
しかし、一方で「アカデメイア」は建築跡があるだけで、建築に関する資料もきわめて乏しいことから、その建築的な側面については日本ではもちろん海外でも知られておりません。大林組プロジェクトチームは、プラトンの弟子たちが残した文書や、当時のギリシア建築などから得られる建築様式などを基に、プラトンが創造した「アカデメイア」の姿を誌上に再現しました。21世紀という新しいパラダイムが問われるいま、あらためて「知」の始源の場を再確認しようとしたものです。

復元にあたってはギリシャ文化に詳しい東京大学 青柳正規教授の指導のもと、建築的にみて合理的と思われる視点を重視しています。

季刊大林No.49「アカデメイア」 <目次>
・ プラトンの創設した哲学の学校『アカデメイア』の想定復元
復元:大林組プロジェクトチーム
監修:青柳 正規(東京大学大学院教授)
・ プラトンの学園 アカデメイア
廣川 洋一(筑波大学名誉教授)
・ 対談「知」の未来学 哲学の可能性をめぐって
小松 左京(作家)
東 浩紀(日本学術振興会特別研究員)
・ 美術に見るギリシアの教育
水田 徹(東京学芸大学名誉教授)
・ 哲学事始め

季刊大林 49「アカデメイア」

以上

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