大林組は、大規模筒状構造物を短工期で、かつ高品質に施工するスリップアップ工法を開発しました。あらかじめ地上で組立てた屋根部分を、型枠を滑らせて連続的に構築する筒体に合わせてリフトアップすることで、高品質サイロ建設の大幅な施工合理化を実現しました。 現在施工中の「関西電力舞鶴発電所新設工事(1,2号機)のうち主要建築工事(第2工区)」に適用し、工期で1ヶ月、屋根のリフトアップにかかるコストを70%削減しました。 スリップフォーム工法は、スライド型枠をジャッキで押し上げ、コンクリート面を滑らせて上昇させながら連続的にコンクリートを打設してRC造塔状構造物を構築する工法です。型枠設置の手間が省略できるので、工期の大幅短縮とコストの低減が可能なことから、煙突・高架水槽・サイロ・電波塔などの筒体の施工に数多く用いられている工法です。 従来の屋根鉄骨の施工方法は、筒体躯体施工の完了後に最上部で組立てを行う(ベント工法)か、あらかじめ地上で組立て筒体躯体施工完了後に油圧ジャッキなどで上昇させるリフトアップ工法を用いますが、今回の工事は、外径62.2m、重量約800tの山型屋根鉄骨を地上近くで組立てた後、筒体躯体施工用のスリップフォーム装置と接続し、このスリップフォーム装置により筒体工事を進めながら、所定の高さまで上昇させるスリップアップ工法を採用しています。 今回、開発したスリップアップ工法は、屋根部分のリフトアップにかかる設備と工期を省くことができます。また、屋根鉄骨の組立ても地上近くで行うことができるため、頂上部で屋根を組立てる方法より仮設機材を大幅に削減でき、安全性と作業効率が著しく向上します。その結果、工期でおよそ1ヶ月の短縮、屋根部分のリフトアップで70%のコスト削減を実現しました。 今回開発したスリップアップ工法の特長は次のとおりです。
大林組は、今後スリップフォーム工法の技術開発だけでなく、他の工法との複合化に努め、RC塔状構造物施工における品質向上や作業の省力化、安全性向上を更に一層図っていきます。 以上
|
||
■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
800tの鉄骨屋根を押し上げながら、高品質サイロを短工期で建設します
大規模筒状構造物建設向けスリップアップ工法を開発・実用化
工期で1ヶ月、屋根のリフトアップコストを70%削減
-
プレスリリース