大林組、東レ、日本シーカで「トレカラミネート工法」の技術審査証明を取得

21世紀のリニューアルを目指し市場の拡大を図ります

プレスリリース

大林組は、東レ(株)(本社:東京都中央区、社長:平井克彦)、日本シーカ(株)(本社:神奈川県平塚市、社長:マーセル・スミッツ)と共同開発・実用化した「トレカラミネート工法」[CFRP板(炭素繊維強化プラスチック板:Carbon Fiber Reinforced Plastics)による鉄筋コンクリート構造物の補修・補強工法]について、(財)建築保全センターから「建築物等の保全技術審査証明書」を取得しました。

トレカラミネート工法は、高性能炭素繊維を一方向に引き揃えてエポキシ樹脂を含浸・硬化させて製造した板状のCFRP板[商品名:トレカラミネート、製品の幅は5cm(一定)、厚さ1、1.5、2oの3種類]を粘性の高い接着剤(商品名:シーカデュア30)でコンクリート表面に接着することにより、既存鉄筋コンクリート部材の物理的性能を回復、向上させる補修・補強技術です。従来工法の「鋼板接着工法」等と比較して、より短い工期で施工が可能で、施工の信頼性についても同等またはそれ以上が期待できます。
本工法は、@CFRP板が軽量なので、軽微な仮設(足場)で施工可能なこと、A.CFRP板の接着面積が少なく、下地処理が低減できること、B.粘性の高い接着剤を用いるため、上向き作業時の液垂れに対する養生作業が低減できること、C.設備配管や電気ケーブル等が交錯する狭隘な空間で、設備配管等の移設を行わずに補強作業が可能なことから、より短い工期で施工ができます。
また本技術は、@現場での樹脂含浸作業がないため、CFRP板の品質が安定しており、A.CFシート接着工法のようにCFシートの積層作業がなく、B.幅の狭いCFRP板を使用するため、充填不良や施工欠陥が発生しにくいこと等、トレカラミネートの材料的利点を生かしているので施工上の信頼性が確保できます。

21世紀のリフォーム&リニューアルは、長寿命建築と再生技術が求められており、建物のライフサイクルに合わせた適切な補修・改修を行うとともに、高齢化社会や温暖化など社会的ニーズに柔軟に対応できる建物の維持・再生が重要な課題となっています。
本工法は、建物の用途変更や設備機器の更新に伴う積載荷重の増加に対する梁や床スラブの補強、あるいは床スラブの開口補強などに広く採用され、建物の長寿命化や再生に大きく貢献しています。

施工実績としては、大阪城天守閣(大阪府大阪市)、ケイヒン横浜商品センター(横浜市神奈川区)、東レ滋賀事業所RC造煙突(滋賀県大津市)をはじめ60件以上あり、トレカラミネートの使用量も35,000mを超えています。その他の用途として尻屋埼灯台(青森県東通村)のような文化的・歴史的に価値のある建造物の補強に活用する例も出始めています。

今後、大林組、東レ、日本シーカの開発3社が中心となって総合建設業、専門工事業者、材料製造業のほか建物所有者、設計事務所・コンサルタントを対象として「トレカラミネート工法研究会(仮称)」を設立し、本技術の施工信頼性の確保、施工技術者の技術向上および工法の健全な普及に努めることにしています。また、(財)建築保全センターから技術審査証明書を取得したことにより、学校や官庁等の公共建築物の改修工事へもこの技術を積極的に提案していく予定であります。

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
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