建設機械の運転室内の空気を清浄化する装置「火山性ガス対策型クリーン・オペレーション・ルーム」を開発

オペレーターを有毒ガスから守り、安全で快適な作業環境を提供します

プレスリリース

大林組は、(株)流機エンジニアリング(本社:東京都港区、社長:西村章)と共同で、火山周辺などの有毒ガスが発生する場所で、建設機械の運転室内の空気を清浄化する装置「火山性ガス対策型クリーン・オペレーション・ルーム(以下C.O.R)」を開発しました。現在、東京都三宅島における災害復旧緊急対策工事において試験的に導入中で、オペレーターを有毒ガスから守り、安全で快適な作業環境の提供をめざします。

亜硫酸ガス(SO2)や硫化水素(H2S)など、人体に悪影響を及ぼす有毒ガスが発生する火山周辺での建設作業は、有毒ガス濃度や風向き等により非常に危険な作業環境になる場合があります。建設機械の運転室は外部とは切り離された密室空間になっているものの、出入りの際や窓を開放した際、また車体のわずかな開口部から有毒ガス等が浸入する恐れがあります。そのため、有毒ガス濃度や風向き等によりオペレーターは防毒マスクを着用して作業せざるをえない状況もあり、運転のし難さや煩わしさ等、作業環境に問題がありました。さらに、作業場所の大気中の有毒ガス濃度が作業管理基準値を超えた場合には、作業を中断し、即時退避しなければならないため、作業効率が上がらないという問題点がありました。

今回、開発した「火山性ガス対策型C.O.R」は、複数の高性能フィルターと化学的に処理した活性炭を利用して、建設機械の運転室内の空気を清浄化します。
有毒ガスを含んだ大気中の空気は、一次フィルター、化学吸着剤(活性炭と過マンガン酸カリウム等)、高性能フィルターを通り、清浄化され、運転室内に供給されます。さらに、運転室内の空気も箱の中を循環し清浄化され、空気供給ファンにより再供給されます。サイズが一辺約50センチという小型の箱で、非常にコンパクトなため、建設機械の機種を問わず適用が可能であり、省電力で稼動します。
既に実験室内の実験において、亜硫酸ガスや硫化水素などの有毒ガスを100%除去できる性能を確認しています。

「火山性ガス対策型C.O.R」は運転室内の空気を清浄に保つことで、オペレーターを有毒ガスから守ります。また、防毒マスクの着用を不要にし、より快適な作業環境を提供します。大気中の有毒ガス濃度が基準値を超えた場合でも、即時退避の必要がなく、安全に、継続的に作業を行うことで、作業効率の向上が期待できます。

今回、開発した「火山性ガス対策型C.O.R」の特長は次のとおりです。
  1. オペレーターを有毒ガスから守り、快適な作業環境を提供します
    ドアや窓の開閉の際や、車体のわずかな開口部から浸入した有毒ガスも清浄化されるため、運転室内の清浄な空気が維持でき、快適な作業環境を保つことができます。

  2. 複数の種類のガスを効率よく除去し、空気を清浄化します
    化学吸着材により、亜硫酸ガスや硫化水素など複数種類の有毒ガスを効率よく清浄化します。また、有毒ガスのみならず、粉塵も除去するので、人体にやさしい作業環境が期待できます。

  3. 省電力かつコンパクトで、建設機械の機種を問わず適用できます
    装着した建設機械からの電源のみで稼動する省電力タイプです。また、非常にコンパクトで、ショベルカー、ダンプトラック、トラックミキサー車やその他、運転室を密室にできる建設機械一般の幅広い機種において適用が可能です。

今後、大林組は「火山性ガス対策型C.O.R」の実証実験を行い、商品化をめざします。既に平成13年4月に実用化しているトンネル坑内で使用される建設機械の運転室向け「クリーン・オペレーション・ルーム」など、より安全で、快適な作業環境の創造に向けた取り組みを続けていきます。

以上

■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
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