大林組、不動建設(株)(本社:大阪市中央区、社長:福田誠)、(株)加藤建設(本社:愛知県海部郡、社長:加藤弘)は、共同で埋立て直後の超軟弱な地盤の表層を低コストで急速大規模施工する新工法を開発、実用化しました。 このたび、大阪市北港南地区埋立地の一画において現地実験を行い工法の実証ができたことで、今後超軟弱な埋立て地の土地造成と早期利用がより低コストで提供されることになると期待しています。 航路浚渫土などにより埋立てられた地盤では、土地造成のために地盤改良が必要です。特に、埋立て直後の人も踏み入ることができないような超軟弱地盤では、フロート台船上に搭載した混合攪拌装置により、セメント系安定材を地盤に注入しながら混合攪拌し、台船上を横方向に移動しながら表層地盤を固化改良する方法が多く用いられてきました。しかし、従来の混合攪拌方式は、プロペラのような翼が先端についたシャフト(水平攪拌翼)を回転させながらセメント系安定材と埋立土を混合し固化させるため、表層地盤の土性が深さ方向で異なる場合には改良強度にバラツキが生ずることがありました。また、攪拌混合の均一性を確保するためには、同一地点で数回、水平攪拌翼を上下させなければならず、そのため横行速度が遅く施工能率の大幅な向上に限界がありました。 今回、開発した新工法は、表層地盤を縦方向に混合攪拌することで急速施工を可能としたものです。フロート台船上に搭載した、トレンチャーと呼ばれる縦型混合攪拌装置を地盤に挿入し、攪拌翼を縦方向に回転させながら連続的に横行して表層地盤を攪拌混合し、改良部の端部に到達したら、トレンチャーを引上げるという単純な作業のため、横行速度を大幅にアップすることができます。また、縦方向の混合攪拌を確実に行うことができるため、表層地盤の土性が深さ方向で異なっていても高品質の地盤改良を行うことができ、かつセメント系安定材の注入量も少なくてすむため、埋立て周辺海域の水質悪化を抑制し、環境にも優しい工法です。 実証実験では施工機の安定性や施工性の他、施工速度やセメント配合量などを変えて施工し、出来上がった固化地盤の強度試験を行って品質確認を行いました。 今回開発した超軟弱表層地盤急速改良工法の特長は次のとおりです。
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■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
埋立て直後の超軟弱地盤の表層を急速かつ低コストで固化する新工法を開発・実用化
トレンチャーを装備した連続横行式表層固化改良工法
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プレスリリース