簡易、短工期、居ながらにして耐震補強を実現

プレキャストブロックを用いた耐震補強工法「3Q-Wall」を開発・実用化

プレスリリース

大林組は、特製のプレキャストブロックと簡易な設備を用いて、在来工法と同じせん断強度を有しながら、従来の半分程度の工期で、かつ居ながらに施工することができる耐震補強工法「3Q-Wall」を開発・実用化しました。
既に2件目の適用となる甲南女子大学の耐震補強工事において適用しました。

既存建物に耐震補強を施す方法の一つとして、耐震壁を設ける方法があります。耐震壁を設ける方法には、新たに壁を構築する方法と既存の壁を厚くする方法があります。どちらの方法にしても、従来は、鉄筋を組み、型枠を設け、コンクリートを流し込むという方法が一般的ですが、それぞれの工程で騒音と振動が発生し、またコンクリートの打設時にはポンプ車を配置するなど大掛かりな設備が必要でした。そのため、営業中の商業施設や学校などでは施工が難しく、休日を選んで施工するなどの方法が取られていますが、病院などでは休日が無いためにより施工が難しく、騒音・振動がなく、かつ短工期の施工方法が望まれていました。

今回、大林組が開発した耐震補強工法「3Q-Wall」は、プレキャストコンクリートブロックを鉄筋の組立てに合わせて積上げ、内部に高強度グラウトを簡易な設備で充填するだけで耐震壁を構築することができる、無騒音、無振動、居ながらで、かつ短工期を実現した耐震補強工法です。強度は、従来の工法と同等のせん断強度を確保しており、病院、学校、養護施設、商業施設などに最適な補強工法です。初めて適用した物件では、隣に営業中の商業施設があったにもかかわらず、施工していることが分からないほど、静かに工事を行なうことができました。

今回、開発した「3Q-Wall」の特長は次のとおりです。
  1. 短期間に工事を完了
    特製のプレキャストコンクリートブロックを積上げ後、簡易な設備で高強度グラウトを流し込むだけなので、従来の半分程度の工期を実現しました。

  2. 騒音、振動がほとんどありません
    鉄筋の特別な加工や型枠の施工、大掛かりなポンプ車によるコンクリートの打設が無いため、ほとんど音が発生しません。休みのない病院でも、安心して施工することができます。

  3. 従来工法と同等の強度を実現
    高強度コンクリートを使用した振圧成形による特製のプレキャストコンクリートブロックと高強度グラウトの組合わせにより、強度は在来工法と同等を実現しています。

  4. 工事費は従来と同等以下を実現
    特製の高強度コンクリートブロックと高強度グラウトを用いていますが、工事費は従来工法と同等以下を実現しました。早く工事が完了するので、工事部分の利用を早く開始することが可能です。

今後、大林組では、今回開発した「3Q-Wall」を、学校や医療福祉施設、商業施設などの耐震補強に積極的に提案していきます。また、プレキャストコンクリートブロックは大量生産により価格の低減が期待できますので、普及すればさらに安く工事を行なうことが可能となります。

■詳しくはこちら >>「3Q-Wall工法研究会」

以上


■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
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