大林組は、昨年3月に開発した高性能で低コストな制震システム「ブレーキダンパー」の第1号を、キヤノン本社棟新築工事(地上18階、高さ81m)にて設置完了しました。 阪神・淡路大震災後、地震によるエネルギーを特定の部位に集中させ、そこでエネルギー吸収することにより、建物の揺れを減少させ、主要構造体である柱・梁の損傷を防止する制震技術の開発が注目を集めています。 今回適用した「ブレーキダンパー」は、柱・梁・ブレース・耐震壁といった主要構造部材の接合部あるいは仕上げ材の取付部に、滑りやすいステンレス薄板とそれを挟み込むブレーキ材を使用し、滑りと摩擦によりエネルギーを吸収する制震システムです。自動車のブレーキを応用したもので、風や地震により建物にある程度の力が作用するとこの接合部が滑り始め、ちょうど走行中の車がブレーキをかけた時のように摩擦によりエネルギーを吸収します。接合部に皿ばねを組み込んだ高力ボルトを使用することにより、常に軸力を一定に保持したままステンレス薄板とブレーキ材を締付け、安定した摩擦力と復元力特性を発揮します。 このダンパーは、風揺れから大地震に至るまで建物の様々な揺れを3分の2程度に低減し、従来の鋼材ダンパーと異なり大地震でも損傷することがありません。また、新築の主要構造体以外にも既存建物の補強や仕上材取付部にも組み込める適用領域の広いシステムです。 「ブレーキダンパー」の特徴は次のとおりです。
大林組は、今後もこの新しい制震システム「ブレーキダンパー」を積極的に提案していきます。 以上 |
■この件に関するお問い合わせ先 大林組 東京本社 広報室企画課 東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟 TEL 03-5769-1014 |
「ブレーキダンパー」の第1号を設置完了
既存建物や仕上材に対しても使用できるメンテナンスフリーのシステムです
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