(仮)電通新社屋建設プロジェクトにおいて、国内最大規模のCFT充填(7,000m3)打設を完了

シミュレーションシステムを開発し、事前に圧送施工状況を評価

プレスリリース

大林組は、設計基準強度(Fc=)80N/mm2およびFc=50N/mm2の高強度コンクリートを(仮)電通新社屋建設プロジェクトのCFT柱(コンクリート充填鋼管柱)へ適用し、CFTの充填施工としては国内最大規模となる7,000m3を、地上40階、最大高さとして170mまでの圧入施工により打設完了しました。

CFT柱は優れた耐震性能と剛性を有する柱で、従来の鉄骨造に比べビルの有効面積を確保でき設計自由度が増すメリットから次世代の高層オフィスビルの利用が期待されています。電通新社屋建設プロジェクトでは、優れた耐震性能と剛性を確保し、柱の寸法をより一層スリム化するために高強度コンクリートを充填したCFT構造が採用されました。

Fc=80N/mm2およびFc=50N/mm2のコンクリートには、製造安定性を重視して、これまでFc=60N/mm2クラスのCFT柱へ実績の多い高ビーライト系セメント(※1)を全面的に採用した高強度・高流動コンクリートとして計画しました。
一方、CFT柱へコンクリートをポンプで圧入する場合、コンクリートの強度と圧送高さが高くなるほどポンプ車にかかる負荷が大きくなります。特にFc=80N/mm2のコンクリートでは、最大高さ110mまで圧送し、また、Fc=50N/mm2のコンクリートについても最大高さ170mまで圧送するため、ポンプ圧送性が課題となりました。そこで、ポンプ車や鋼管にかかる負荷を、事前に評価するシミュレーションシステムを開発しました。これにより、コンクリートの性状や圧入速度、配管径などの違いによるポンプ圧送性が明らかとなり、圧送性能を充分確保できるようなコンクリートの最適な調合設計と施工計画が可能となりました。
実際の施工においては、30件以上の実績を有するCFT圧入施工システム(鋼管の下から上へコンクリートをポンプ車で圧入する方法)を採用し、ポンプ車にかかる負荷を常時監視し、事前のシミュレーション結果と比較、検討しながら施工を行いました。Fc=80N/mm2のコンクリートを圧入施工では、最大高さ110m(地上26階)までの圧入を実現し、全5,600m3の打設を計画どおりに完了し、また、Fc=50N/mm2のコンクリートの圧入施工についても最大高さ170m(地上40階)までの圧入を実現し、全1,400m3の打設を完了しました。

※1 高ビーライト系セメント:普通セメントや中庸熱セメントより珪酸二カルシウム(C2S:ビーライト)成分の含有率を高めたセメントです。発熱を抑制し、流動性や強度発現にも優れるため、近年、高強度・高流動コンクリートへの利用が増加しています



今回施工を完了したCFT充填施工の概要は次のとおりです。
  1. ポンプ圧送性のシミュレーションシステムにより、圧送状況を事前評価することでCFT圧入施工システムの施工性の確実性を増すことができました。

  2. 実際の圧入施工では、事前評価と比較、検討を行いながら作業を進めることができ、安定した施工ができました。また、シミュレーションシステムを同時に評価することができ、システムの信頼性が向上しました。

  3. シミュレーションによる事前評価により、施工性能と品質を高次元で確保することができました。最適な調合設計により、高品質なCFT柱を実現しました。

大林組は、今後も、シミュレーションシステムを利用することで、品質と施工性、信頼性を確保していきます。

以上


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大林組 東京本社 広報室企画課
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