「テレスポークビット工法」を開発

シールドトンネルの長距離化、大深度化に対応

プレスリリース

大林組と三菱重工業(株)(本社:東京都千代田区、社長:西岡喬)は、シールドマシンのカッタービッドを、シールド機内部で何度でも迅速に交換できる「テレスポークビット工法」を開発しました。昨今のシールドトンネルの長距離化、大深度化に対応した効率的なカッタビットの交換システムです。

近年、大都市部におけるシールドトンネル工事は、用地の取得が困難なことや地下構造物の輻輳化、地表構造物の密集化などにより中間立坑の築造が難しく、長距離化する傾向にあります。長距離のシールドトンネル施工では、カッタービットの耐久性が重要なポイントとしてクローズアップされています。また、長距離化によってさまざまな土質を掘進する必要性が生じた場合、各土質に適したカッタービットに交換することが効率的です。
平成12年5月19日付けで「大深度地下の公共的使用に関する特別措置法」が成立し、地下構造物の輻輳化という地下空間の利用状況と相俟って、今後、大深度でのシールドトンネル工事が増えることが予想されます。一般的に、大深度では地盤が硬いことから、カッタービットの交換頻度が増すことが想定されます。
従来、カッタービットの交換は、中間立坑内で行うか、シールド機を地盤改良内で停止させ、シールド機の外部に作業員が出てカッタービットを交換する方法が一般的でしたが、今後、シールドトンネルの長距離化、大深度化により中間立坑の築造や地表からの地盤改良が難しくなるため、効率的にカッタービットを交換できるシステムの需要が見込まれています。また、変化する土質に対応してカッタービットを交換することができれば、掘進速度の向上にもつながります。

今回開発した「テレスポークビット工法」の手順は、まずカッタースポークに取り付けてあるカッタービットを、油圧ジャッキによりスポーク内に引き込みます。次にカッタースポークにはビット用開口部があるため、カッタースポーク内に内蔵しているインナーチューブを180°回転させて止水を行います。その後、インナーチューブ内に装備しているスライドフレームを交換位置まで移動させ、機内よりビット交換を行います。交換後は、これまでと逆の手順で、カッタービットを戻し、掘進を再開します。
迅速かつ安全に、何度でも、カッタービットを交換することができるので、シールドトンネルの長距離化、大深度化ニーズに対応できます。

今回、開発した「テレスポークビット工法」の特徴は次のとおりです。
  1. カッタービット交換が迅速にしかも何度でもできます
    機械式のため、ビット交換をするための立坑や地盤改良が不要で、迅速に何度でもカッタービットを交換することができます。

  2. 土質に適したカッタービットの交換が可能なので掘進速度を向上できます
    カッタービットを必要に応じて交換できるので、土質にあったカッタービットに交換することで掘進速度を向上することができ、工期を短縮できます。

  3. 交換時の安全性が向上します
    作業員がシールド機の外部に出ずにしかも大気圧下でカッタービットを交換することができるので、安全に交換作業ができます。

  4. 泥水式、土圧のいずれのシールド機にも適用可能です

今後、シールドトンネルの長距離化、大深度化に対応して、積極的に「テレスポークビット工法」を提案し、掘進速度の向上による工期短縮とコスト削減をめざし、作業員の安全性向上を実現していきます。

以上


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大林組 東京本社 広報室企画課
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