大林組は、地理情報システム(以下GIS)を利用して、個別建物および全国に散在した複数建物群全体の地震予想最大損失額(Probable Maximum Loss:以下PML)の算定を行えるシステムを開発しました。日本全国どこの建物でもPMLが簡単に評価でき、今後増加が見込まれる不動産証券化などにおけるデユーデリジェンス業務に貢献できます。 近年、不動産証券化に伴いデユーデリジェンスに関する業務依頼が増加しています。デユーデリジェンスとは、投資家などの委託により、建物の劣化状況を含むリスクや収益性など不動産の持つ資産価値を適正に評価する一連の手続きを指します。このなかで、主として建物の物理的事実を評価するエンジニアリングレポートでは、不動産の資産価値を表す一指標として、建物のPMLが投資家や格付機関などの間で重要視され始めています。このため、PMLが算定できる地震リスク評価法の開発およびそのシステム化が急がれていました。 今回開発したのは、パソコン上で簡単に個別建物および全国に散在した複数建物群全体のPMLが算定できる評価システムです。ここで言うPMLとは、建物の供用期間50年でほぼ最大となる地震、すなわち約475年に1回の大地震に対する建物の損失額を表しています。 本システムは、建設地の地震危険度と建物の地震損失の両者を確率論的に評価することにより、個別建物および複数建物群全体のPMLを算定します。 必須項目としては、建設地の位置、地盤種別、建物の構造形式、階数、構造耐震指標、再調達価格があり、GIS上で建設地を選択して上記の建物情報を入力すると、PMLが算定できます。 地震時の補修費用として、兵庫県南部地震における弊社のデータベースを用いているため、信頼性の高い評価結果となっています。また、パソコン上で稼働するため、結果の図化処理が効率化できるとともに、GISの採用によりユーザーにとって使いやすい環境を提供しています。 「PML評価システム」の特徴は次のとおりです。
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地震予想最大損失額(PML)評価システムの開発
不動産証券化などにおけるデユーデリジェンス業務に貢献します
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