精密機械の広い振動数範囲に対応した最適な高剛性定盤を開発販売

軽量で設置が容易なフレキシビリティーの高い高剛性アルミ小型定盤「HiCAP」

プレスリリース

大林組は、スキャンタイプのステッパーなどの精密機器を設置する床に最適な高剛性定盤を開発しました。小型、軽量かつ設置が容易なフレキシビリティの高い高剛性アルミ小型定盤で、既に実大実験による性能も確認し、6月より「HiCAP」として販売を開始します。

半導体用露光装置などの精密機械を設置する床は、機械自体が発生する振動を抑制するため高い剛性が要求されます。そのため、装置のサイズに合わせ特別に製作したステンレス板やプレキャストコンクリート(PC)製の剛性床を採用する方法が一般的です。これらの剛性床は特別注文で製作するため費用がかかり、大きなサイズや重量の点からクリーンルーム内での取り扱いが容易ではありません。また剛性床を所定の位置に設置する時に周囲の床パネルをカットしたり、PC板固定用ボルト穴の加工をしたりして粉塵や振動などがクリーンルーム内で発生するなどの問題がありました。

大林組は、従来のクリーンルーム床パネルの60cm角規格モジュールに合わせて、アルミ鋳造法により軽量でコンパクトな高剛性の定盤を開発しました。加工や穴明け作業が省略でき、従来のフリーアクセスフロアの割付けを変更することなく容易に設置できます。

高剛性アルミ小型定盤「HiCAP」の特長は次の通りです。
  1. フリーアクセスフロアと同一のサイズなので効率良くフロアの割付けが行えます。
  2. 精密機械の広い振動数範囲に適応した高剛性を確保しました。
    (盤中央の上下剛性は、9×108N/m)
  3. クリーンルーム内での設置作業が簡易で、ボルト穴加工で粉塵・振動が発生しません。
  4. 同一サイズのPC盤に比べて約半分の重量なので取り扱いが容易です。
  5. 高さ調整や水平レベル調整が調整機構で効率良くできます。
  6. 機械の更新時や移動時にも再利用ができます。
  7. 材質がアルミのため磁界に変化や影響を与えない定盤として有効です。
大林組では、今回開発した高剛性アルミ小型定盤「HiCAP」を大林組技術研究所(東京都清瀬市)にて常設展示し、常時専門家が説明を行える体制を整えています。
今後、大林組は、半導体などの精密機械工場の機械設置床材として積極的に提案していきます。
また、「HiCAP」は大林組と近代都市開発(株)(本社:東京都港区、社長:清祐浩作)から販売いたします。

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