大林組は、循環型社会の形成に向けて、建設廃棄物を再資源化し循環させていく取り組みとして、建物を解体した際に排出されるコンクリート廃材を骨材とした再生コンクリートを積極的に利用し、その使用量が15000m3を超えました。これは、3万6千トンのコンクリート塊から再生された骨材を用いたことになります。 昨年5月「循環型社会形成推進基本法」や「建設資材リサイクル法」などの関連法が成立して、廃棄物を再資源化し循環させていく取り組みが始まりました。建設分野で使用する生コン資材のうち、砕石・セメントなどは年間で約3億トンが使用され、解体などにより約3700万トンがコンクリート廃材として排出されています。コンクリート廃材は破砕された後、再生砕石となり道路路盤用に年間で約2000万トンが再利用されていますが、道路路盤用に再利用される再生砕石の需要は今後一定と見込まれ、一方、鉄筋コンクリート造建物の解体により排出されるコンクリート廃材は今後増加するものと予想されます。 大林組は、循環関連六法が成立し順次施行されていく中で、建設廃棄物の最終処分率の低減だけではなく、再生品を積極的に利用することで循環型社会の形成に向けた活動をしています。これらの活動の一つとして、建物の解体により排出されるコンクリート廃材から製造される再生骨材を使用した再生コンクリートの利用に取り組んでおり、建物基礎下に作業地盤として構築する捨コンクリート等の仮設コンクリートに積極的に利用した結果、首都圏における使用量が15000m3を超えました。これは、業界第1位の再生コンクリート使用量となっています。 コンクリート廃材から製造される再生骨材を利用した再生コンクリートは、再生骨材の特性のために、破砕したままでは強度や乾燥収縮、凍結融解抵抗性などのコンクリートとしての基本性能が天然骨材を用いたものより劣るため、それと同等の品質を得るためには、特殊な処理が必要になります。また、使用基準が法的に整備されておらず、構造体への利用にあたっては大臣認定を受ける必要があり、結果として品質、価格の面で再生コンクリートを利用するメリットがないのが現状です。 大林組は、再生コンクリートを構造体として利用するための研究・開発を進める一方、構造体コンクリートとしての普及が進み難い現状から、構造体以外の仮設部分に、JIS規格外品の再生コンクリートを積極的に利用することで、今後排出増加が見込まれるコンクリート廃材の再利用促進を進めることができると考えています。 大林組が利用した再生コンクリートの量は、3万6千トンの廃棄物から再生された骨材を利用したことになります。これは、コンクリート廃材の全体量に比べ微々たる量に過ぎませんが、利用し易いところから利用することで、資源を循環させる環境づくりに貢献できると考えています。 大林組は、今後も再生コンクリートを積極的に利用するとともに、大林組の環境保全活動の一環として、これまで進めてきた建設廃棄物の排出削減、再資源化率の向上及び最終処分率の削減に取り組んでいきます。 以上 |
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建設廃棄物の再生品を積極的に利用し、 再生コンクリートの使用量が15000m3を超えました
循環型社会の形成に向けて、大林組の取り組み
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