工事用トラックの「省燃費運転法」を東北地方でも導入−建設段階で排出されるCO2削減のために実体験研修会を宮城・福島で開催−1

プレスリリース

pointer 工事用トラックの「省燃費運転法」を東北地方でも導入
−建設段階で排出されるCO2削減のために実体験研修会を宮城・福島で開催−
 

大林組は、建設工事段階で排出されるCO2を削減するために、 建設工事で使用されるトラック、ダンプトラックを対象とした「省燃費運転法」の普及を進めています。
この度、大林組としては10回目及び11回目となる「省燃費運転法」実体験研修会を、10月14及び18日、 日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:湯浅 浩)及び新宮城日野自動車株式会社 (本社:仙台市宮城野区、社長:志津田 芳正)、日産ディーゼル工業株式会社 (本社:埼玉県上尾市、社長:仲澤 洋文)及び東北日産ディーゼル株式会社 (本社:仙台市宮城野区、社長:山田 照男)の支援を受けて、大林組の東北機械工場 (宮城県多賀城市)及び相馬土木工事事務所(福島県相馬市)で実施しました。
研修に参加したのは、大林組の協力会社である(有)産業運輸 (本社:仙台市青葉区、社長:加藤 武男)、(有)大澤組(本社:福島県相馬市、社長:大澤 正一)他の運転者63名です。

 建設工事段階で排出されるCO2の約70%強は 建設機械とトラック(ダンプトラック含む)によるもので、特にトラックからの排出量が全体の3分の1を占めています。
トラックから排出されるCO2の削減には、

  1. 燃料消費改善のためのトラック車体やエンジンの設計開発
  2. 建築物や構造物の設計や施工法の工夫によるトラック使用及び走行距離の削減
  3. 燃費消費率を向上させるトラックの運転
が有効とされています。

 大林組では、CO2削減のための 新しい取組みとして工事用トラックの燃料消費率を向上させる「省燃費運転法」の普及を推進しています。
協力会社に所属するトラックの運転者などを対象とした省燃費運転研修会を実施し、 研修後の日々の行動に「省燃費運転法」を取り入れることで、 工事用トラックの燃料消費率の向上及びCO2排出量の削減を図ります。
省燃費運転研修会は、省燃費ビデオや省燃費マニュアル等を教材とした 「座学研修会」と、これに実体験を組合せた「実体験研修会」の2種類の研修コースを用意しています。
研修では、まず燃費計を取付けたトラックで通常の運転方法で走行し、 研修室での省燃費ビデオや省燃費マニュアル等による座学研修の後、省燃費運転の実体験を行いました。 エンジン回転数の低減、一定速度運転、高速段の多用、エンジンブレーキの活用など4項目の省燃費のポイントを励行し、 3.3kmの試験走行を行いました。 また、今回初めて、舗装された一般道路とは走行条件が異なる造成地等を主に走行する ダンプトラックの運転者への研修も実施しました。研修では、一般道を走行する トラック運転者への省燃費運転に加えて、既に検証実験を行って効果が確認されている 2つのポイント@上り坂での出来るだけ高いギャの選択、及び、 A下り坂での走行状態に見合ったエンジンブレーキと排気ブレーキのこまめな選択、について研修を行いました。
これらの結果、大型トラックの場合、平均で約30%の燃費向上率、約23%の燃料削減率を確認できました。

造成地での省燃費運転法を確立するための実証実験
従来、一般道路とは走行条件が異なる造成地等では、波状運転や低速度運転を強いられ 「省燃費運転法」で最も効果が期待できる、シフトアップ時のエンジン回転数の低減、 高速段の多用、一定速度運転に限度があることから「省燃費運転法」の効果はほとんど期待できないとされていました。 大林組では、平成12年6月28、29日に、造成地での省燃費運転法を確立するための実証実験を行い、 高速段の選択及び各種ブレーキの適切な選択により効果が期待でき、 中でも上り坂での出来るだけ高いギャの選択及び下り坂での走行状態に見合った エンジンブレーキと排気ブレーキのこまめな選択の2つのポイントが特に有効であることが分かりました。

 これらの結果を(有)産業運輸他が保有する 大型トラック70台、 1台あたりの年間走行距離8万qとして換算すると、最大年間のCO2排出量で 約2000トンの削減、燃料費で約6000万円の削減効果があります。

 大林組では、昨年の12月に実施した大林組東京機械工場での第1回目の研修以来、 全国で11回目の研修を実施し良好な結果を得ました。今後順次、 香川県、福岡県、神奈川県、北海道、兵庫県の機械工場、機材センター、 造成現場等において省燃費運転研修会を実施していく予定で、年内に総受講者数が約350名になる見込みです。
大林組では、研修を受講した運転者に、これまで配布してきた修了証に加えて、 トラックの外部に貼り付けるマグネット式の「省燃費運転中」マークを配布し、 研修後の日々の運転において、CO2削減活動に向けた責任ある運転の励行を呼びかけます。

 これらの「省燃費運転法」の普及により、大林組ではトラック(トラック、ダンプトラック)から 排出されるCO2の削減を目指すとともに、建設機械の省燃費運転研修も実施する予定で、 全ての建設段階で排出されるCO2の削減を目指します。

以上
  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
TEL 03-5769-1014
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟