東海北陸自動車道真木トンネル工事で優れた効果を実証 トンネル坑内用のクリ−ンなリフレッシュル−ムを開発、実用化 ~トンネル坑内の粉じんを完全に清浄化した快適空間を提供します ~

プレスリリース

 

  東海北陸自動車道真木トンネル工事で優れた効果を実証
トンネル坑内用のクリ−ンなリフレッシュル−ムを開発、実用化

トンネル坑内の粉じんを完全に清浄化した快適空間を提供します
 
 

 (株)大林組は、(株)流機エンジニアリング(本社:東京都港区、社長:西村 章)と 共同で、山岳トンネル坑内で働く作業員の打合せや休息用の施設として、 トンネル内の粉じんを除去、空調し、完全に清浄化した空気を供給する 可動式のリフレッシュル−ムを開発し、日本道路公団北陸支社発注の 東海北陸自動車道真木トンネル工事に初めて適用しました。

 一般的に建設中のトンネル坑内では、工事に伴う粉じんの濃度が高く、 いわゆるじん肺問題を惹起しており、早急な作業環境の改善が望まれています。
また、トンネル坑内に設けられる一般的な休息施設は、 坑内の劣悪な空気環境にも拘わらず簡単な仕切りで隔離された小屋程度のものが多く、 休息時に作業員がマスクを取り外してくつろぐにはトンネル坑外まで出る必要がありました。 しかもトンネル掘削の進捗状況や作業車の運行状況によっては徒歩による移動となり、 作業現場と坑外との往復に時間がかかるため、結果的に就労時間内での 坑外休息を取ることが困難な場合も見られました。
こうしたことから大林組では、1987年から自社開発の 電動ファン付防じんマスクをトンネル坑内で着用を義務づけるとともに、 打合せ時や休息時間に防塵マスクを取り外してくつろげる施設を坑内に設置してきました。
1998年8月、大林組は気密性の高い施設に送風管から分岐した管を接続し、 ここから新鮮な外気を給気する一方で、常時トンネル坑側に排気する休息所を開発し、実用化しました。 しかし、この施設は送風管への接続が必要となるため、施設設置の段取りや 長大トンネルにおける作業員の移動負担の軽減など改善が求められていました。

 今回、大林組と(株)流機エンジニアリングが開発し 実用化したリフレッシュル−ムは、気密性が保持された密閉式仮設建物に 高性能の各種フィルタを内蔵した集じん機及び排気ダクトを備えており、 休息所内部に快適な空間を作り、空気の清浄度を保ちます。 このリフレッシュル−ムは作業能率の向上に資するとともに、 送風管との接続が不要となったため作業進捗に応じて直ちに作業現場付近に移設することもできます。
リフレッシュル−ムの仕様は次のとおりです。

 収容人数 10名
 ル−ム寸法 2.35m ×4.4m 高さ2.35m
 前室寸法 2.35m ×1.0m 高さ2.35m
 室内空気清浄度 0.1mg/m3以下
 重量 約2t
 付属装置 除じんフィルタを内蔵した集じん機

 今回開発した、トンネル坑内でも空気清浄度を保つ 可動式リフレッシュル−ムの 特長は次のとおりです。

  1. 集じん機内に取り付けられた高性能の各種フィルタ−で、じん埃を除去します。
    集じん機はモ−タ駆動型の本体に除じんフィルタを備えており、 坑内の空気中に含まれるじん埃を連続的に除去します。 フィルタを通してリフレッシュル−ム内に供給される エアの粉じん濃度は0.03mg/m3以下です。
    真木トンネル工事では、坑内の粉じん濃度2.12mg/m3に対してリフレッシュ ル−ム内では0.02~0.03mg/m3となり、良好な結果が得られました。

  2. 休息室と前室を区画し、室内の清浄度を保ちます。
    リフレッシュル−ム内を、連絡用扉を設けた隔壁で休息室と前室に区画しています。
    作業員がリフレッシュル−ムに入る際には、まず衣服などに付着した じん埃を前室で落としてから休息室内に入ることで、出入り毎に休息室が 外気に直接さらされることがなくなり、室内の清浄度を保つことができます。

  3. 室内の内圧を高めることで坑内空気の流入を防ぎ、清浄度を保ちます。
    集じん機を通した清浄な空気の供給と、排気ファンによって常時排出することにより、 室内には常に清浄な空気が供給循環しています。 また、集じん機の送風能力を若干高めに設定し、室内の内圧を坑内圧力よりも高くすることで、 人の出入りが頻繁に行われても坑内空気が室内に流入することがなく、常時、清浄な状態に保ちます。

  4. 気密性の高いリフレッシュル−ムです。
    定員10名のプレハブ式仮設建物ですが、通常のプレハブ建物よりも パネル間接合部及び開口部(側壁両面に窓、一端側の出入り口)などを目張りすることで、 高気密性を保っています。

  5. 最適の場所への移動が容易です。
    送風管を必要としない自立型の施設であるため、設置のための段取りが不要で、 その移動も容易であるため、工事の進捗状況にあわせて最適の場所に容易に設置できます。

 大林組では、今回、開発実用化したトンネル坑内用の可動式リフレッシュル−ムや 既に実用化している電動ファン付防じんマスクの普及など、 より快適な職場環境の創造に向けた取組みを強化していきます。

 なお、このリフレッシュル−ムは、 株式会社流機エンジニアリング(東京都港区芝5-16-7 芝ビル、TEL 03-3452-7400)が販売します。

以上
 
  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
TEL 03-5769-1014
東京都港区港南2-15-2 品川インターシティB棟