日本初、「地盤を伝わる環境振動予測システム」を開発 ~振動公害対策や精密機器の防振対策を最も合理的、経済的に実施 できます~

プレスリリース

  日本初、「地盤を伝わる環境振動予測システム」を開発
振動公害対策や精密機器の防振対策を最も合理的、経済的に実施できます
 
 

 (株)大林組は、機械や鉄道・車両等から発生する振動が地盤を伝わり 周辺の建物や精密機器に与える影響を高精度に予測する「地盤を伝わる環境振動予測システム」を 日本で初めて開発しました。 解析モデルの作成から振動の評価に至る一連の解析処理を、専門家でなくても速く、正確に、 あらゆる方向で行えるシステムで、振動公害対策や精密機器等の防振対策に非常に有効です。

 機械基礎や工事機械、鉄道、車両等から発生する振動は、 地盤を伝わって周辺の建物や人体あるいは精密機器などに影響を及ぼします。 こうした振動の発生そのものを抑えたり、あるいは受ける影響を最小限にとどめるには 地盤を伝わる振動の影響を立体的(3次元)に、かつ高精度に予測し、対策を講じる必要があります。 しかし、振動の影響を正確に3次元(立体的)で予測するためには、 地盤の状況、機械基礎の形状や重量、杭の配置、振動の大きさや振動数、 評価する地点と振動源との距離や位置関係などの諸条件を勘案し、 しかもそれら諸条件の組合わせにより計算の手順や評価式を変えるなど、 極めて専門的で高度な知識とノウハウが必要でした。
従来、こうした複雑で難解な計算を避けるため、 振動の伝わり方を振動源と評価地点の2次元(直線的)に 限定してモデルを作成し計算を行ったり、 あるいは近似式をあてはめるなど簡便な方法が一般的に採用されていました。 しかし、これらの予測には高い精度は期待できないため、 その結果を用いて行う振動に対する対策は必要以上なものとなる傾向がありました。
近年、ISO14001に見られるように、振動の周囲に与える影響への関心が高まりつつあります。 振動公害対策や精密機器の防振対策を合理的、経済的に行うために、 専門家でなくても、速く、正確に、振動の影響を立体的にあらゆる方向で 予測できる実務上有効なシステムが求められていました。

 今回開発した地盤を伝わる環境振動予測システムは、地盤を介した振動の伝わりを、 あらゆる方向で、誰でも、速く、正確に予測することができる日本で初めてのシステムです。 当社がこれまでの研究で得た、振動源と評価地点の様々な諸条件パターンの予測解を コンピュータでデータベース化することにより、簡単な入力項目で @解析モデルの作成 A諸データの入力 B解析 C評価 という工程をパソコンとエンジニアリングワークステーション上で自動的に行うことを可能としました。 地盤を介した振動の伝わりを専門家でなくても予測することができるので、実務上非常に有効で、 ISO14001に対応した振動による環境への配慮も的確に行うことができます。 また、高精度な予測をあらゆる方向で行うことができるので合理的、 経済的な振動対策を総合的に行うことができます。

 今回開発した「地盤を伝わる環境振動予測システム」の特長は次のとおりです。

  1. 誰でも振動影響予測ができる
    従来、専門家でなければ不可能であった地盤を介した振動の3次元の広がりを専門家でなくても、 パソコンに簡単な入力項目を入力するだけで行うことができます。 複雑な計算はパソコンとエンジニアリングワークステーションが自動的に行います。 エンジニアリングワークステーションへの指示もパソコンが行うのでユーザーはパソコンの操作だけで済みます。

  2. 速く振動影響予測ができるので速やかな対策が可能
    従来、場合によっては専門家が数ヶ月も費やして地盤を介した振動の3次元の広がりを 予測していたものを、多様な予測解をデータベース化することで、専門家でなくても、速く、 高精度に予測することができます。 速く解析することができるので設計計画や振動対策などを実務上速やかに対応することができます。

  3. 高精度な予測が可能なので合理的、経済的な対策が可能
    従来、実務上ある程度の精度の予測に基づき対策を行っていたため、 過度な振動対策を行っていた場合がありましたが、 高精度な予測により必要十分な合理的かつより経済的な振動対策が可能となります。

  4. あらゆる方向で予測が可能なので振動源の周囲を総合的に予測可能
    従来、平面的に任意地点の予測をする場合でも、 複数の大規模な解析モデルを作成し膨大な計算を行っていましたが、 評価地点が複数でも諸条件を入力するだけで速やかにあらゆる方向の予測が可能なので、 実務上、振動源周囲の総合的な予測と対策を可能としました。

 今後、大林組は「地盤を伝わる環境振動予測システム」 により振動による周辺への影響を高精度に予測し、 設計計画やISO14001における環境配慮に合理的に反映させることで、 以下のような振動公害の防止と環境への配慮を追求していきます。

  1. 機械基礎による遠方民家への振動公害予測
  2. 道路交通振動による精密機器の防振対策予測
  3. 既存基礎の防振対策予測
  4. 工場計画地の振動予測
以上
 
  ■この件に関するお問い合わせ先
大林組 東京本社 広報室企画課
TEL 03-5769-1014
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