ニューステスト(20190709)
落下防止ネットと仕上げ材を一体化した石材調シートを用いて外装デザインを一新します
-
最新情報
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、タイル張り外壁の改修工事において、落下防止ネットと石材調の仕上げ材をあらかじめ一体化した石材調シートをアンカーピンなどによって既存の外壁に確実に固定することで、短工期かつ低コストでタイルの剥落を予防し保全する外壁改修技術「リニューフェイス」を開発しました。
これまで多くの建築物に用いられてきたタイル張り外壁は、経年劣化などによりタイルが剥落する危険性が懸念されるため、適切に落下防止対策を施し安全性を確保することが強く求められています。従来、剥離が発生したタイル張り外壁は、アンカーピンやエポキシ樹脂によって部分的に補修されることが一般的で、剥離が生じるたびに部分的な補修を繰り返す必要がありました。近年はその対策として、全面的にタイルの剥落を未然に防止することが可能な外壁複合改修工法を適用するケースが増えています。
しかしながら、この工法は既存の外壁タイルの落下を防止するネットを張り付けた後に表面の改修仕上げ材を施工(石材調シートの張り付けや石材調仕上げ材の吹き付けなど)する必要があり、現場での作業工程が多くなることから、工期の長期化とコストの増加が課題となっていました。
今回大林組が開発したリニューフェイスは、落下防止ネットと仕上げ材をあらかじめ一体化した石材調シートを用いることで、短工期かつ低コストで、タイルの剥落予防・保全と外装デザインの一新を実現する外壁改修技術です。本技術は、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明(※1)を取得しており、高い安全性を有しています。
-
各施工状況 落下防止ネットの張り付け(外壁複合改修工法)
-
落下防止兼用石材調シートの張り付け(リニューフェイス)
リニューフェイスの主な特長は以下のとおりです。
短工期・低コストで外装デザインを一新
リニューフェイスは、落下防止ネットと仕上げ材をあらかじめ一体化した石材調シートを、既存のタイル張り外壁の全面に固定することで、タイルの剥落予防・保全と同時に意匠性の高い仕上げを実現します。石材調シートは工場での製作となるため、施工現場での吹き付けによる仕上げと比べ施工品質が安定しており、塗り継ぎや吹きむらが発生しません。
また、従来の落下防止ネットと仕上げ材の施工を順次行う外壁複合改修工法と比較すると、現場作業の工程を削減できるだけでなく、それに伴う人件費・仮設材料費の削減や、仕上げ材を吹き付ける場合に必要となる大がかりな養生が不要となることなどから、工期を約20%短縮し工事費を約20~30%削減できます。
定期的な目視点検で安全を維持
リニューフェイスは、ポリマーセメントモルタルによる接着とシート表面からのアンカーピンによる固定を併用して、石材調シートを既存の壁面に確実に固定することで、従来の外壁複合改修工法と同等の安全性が確保されます。
改修後のメンテナンスにおいては、従来の外壁複合改修工法では、落下防止ネットを固定するアンカーピンが仕上げ材の下に隠れてしまうため目視による当該部分の点検が困難でしたが、リニューフェイスではアンカーピンの頭部を目視で確認できることから、アンカーピン周りの変状を確実かつ早期に発見できます。そのため、定期的な全面外観目視による点検(欠損、浮き上がり、ひび割れ)と上塗り材(石材調シートの表面を保護する透明トップコート)の塗り替えを行うことで、継続した安全性の確保が可能となります。
-
外壁断面構成の比較 従来の外壁複合改修工法
-
リニューフェイス
大林組は、既存の事務所ビルや商業施設など多くの鉄筋コンクリート造建築物のタイル張り外壁の改修計画においてリニューフェイスを積極的に提案することで、建物所有者の事業継続と安全・安心な社会の実現に貢献していきます。
- ※1 建築技術性能証明 一般財団法人日本建築総合試験所が、新しく開発された建築技術の性能を第三者の立場から審査し、その技術が保有する性能を証明するもの
以上
この件に関するお問い合わせ先
大林組 CSR室広報部広報第一課
TEL 03-5769-1014
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。