正確に単位水量を算定し、コンクリートの品質を守ります

単位水量算定技術を確立し、コンクリートの品質管理ソフトを開発

プレスリリース

大林組は、生コンクリート中の単位水量を正確に算定する方法を確立し、それを用いた生コンクリートの品質管理ソフトを開発しました。簡便、迅速かつ高精度に、生コンクリートの単位水量を算定することで、コンクリートの品質管理レベルを向上します。

高品質なコンクリート構造物を構築するためには、生コンクリートの品質が目的通りであることが重要で、そのためには、セメントや水、骨材、混和剤等の原材料が配合計画どおりである必要があります。特にコンクリート構造物の耐久性は、生コンクリート1m3あたりの水量(単位水量)および水セメント比が大きく影響するので、これらを正確に測定することで、コンクリートの管理レベルを向上することができます。さらにコンクリートを打ち込む前に、単位水量を検査することができれば、コンクリートの品質管理の信頼性が著しく向上します。

しかし、従来は、現場において単位水量を簡便、迅速かつ高精度に測定できる技術がありませんでした。大林組は、コンクリートの品質管理レベルの向上と信頼性の確保を目的として、単位水量の算定精度を高める研究を進めてきました。その結果、エアメータを用いてコンクリート試料の空気量と単位容積質量を正確に測定し、コンクリート製造過程で発生する水量変動要因や材料物性の補正データを計算に反映させることで、単位水量を簡便、迅速かつ高精度に算定することができる技術を確立し、ソフト化しました。

コンクリートの品質管理には、品質変動の傾向を統計的に管理することが重要であることから、このソフトには、生コンクリートの受入れ検査や硬化後のコンクリート圧縮強度試験などの結果をデーターベース化でき、品質変動の傾向を統計的に管理することができる機能を付加しています。このソフトを利用することで、建設現場で、高いレベルの品質管理を行うことができ、コンクリート品質の信頼性が一層向上します。

また、コンクリート製造工場においても、製造管理に測定結果を利用することで、安定した品質管理が実現できます。エアメータ:コンクリートの強度や耐久性、作業性などに影響を与えるコンクリート中の空気量の変動を試験する器具。コンクリートの空気量は、コンクリート受け入れ検査項目の一つで、20~150m3に1回の頻度で試験されます。

今回、開発した生コンクリート品質管理ソフトの特長は、次のとおりです。

  1. 高いレベルでコンクリートの品質管理が行えます。単位水量を算定するプログラムが組み込まれており、現場でも、簡便、迅速かつ高精度に生コンクリートの単位水量を算定することができます。そのため、高いレベルでコンクリートの品質管理を行うことができます。  

  2. コンクリートのデータベースが品質管理に役立ちます。生コンクリートの単位水量算定結果、配合データ、受入れ検査結果、強度試験結果を簡単にデータベース化することができるので、コンクリートの品質変動が瞬時に把握することができ、品質管理に役立ちます。

  3. 構造物の品質の信頼性が向上します。高いレベルでコンクリートの品質管理を行えるため、コンクリート構造物の品質の信頼性が一層向上します。

  4. コンクリート製造工場でも安定した品質管理が実現できます。コンクリート製造工場においても、製造管理に測定結果を利用することで、安定した品質管理が実現できます。

大林組は、今回開発した管理技術を利用し、より高品質のコンクリート構造物を提供していきます。なお、生コンクリート品質管理ソフトは、近日中に販売する予定です。


以上