この年
10月のニューヨーク株式市場の株価暴落による世界恐慌はわが国にも波及。空前の不況に襲われるなか、大林組は新規事業の開拓に動く。外国航路客船の室内装飾もその一つであった。副社長の大林賢四郎が日本郵船および三菱造船と交渉し、太平洋航路の浅間丸と龍田丸の内装を請け負った。また、大阪商船の南米航路船、「りおでじあねいろ丸」と「ぶえのすあいれす丸」の客室内装を本店の工作所が施工。その出来栄えが絶賛を博し、のちの内外木材工藝(1931年設立)に引き継がれる。
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1929年の大林組
社会の出来事
- 4月
- 初の本格的ターミナルデパート・阪急百貨店が大阪・梅田に開店
- 5月
- 第1回アカデミー賞授賞式、特別賞のチャップリンは受賞拒否
- 7月
- 浜口内閣成立、緊縮政策を発表
- 10月
- ニューヨーク株式市場大暴落(暗黒の木曜日)
- 11月
- 内務省、失業者30万人と発表
建設業界の動き
- 4月
- 建築学会、鉄筋コンクリート工事標準仕様書制定