季刊大林No.29

「漁場」

農耕民族として論じられることの多かった日本人は、その実、海を舞台に、国境を越えた広範な活動を展開していたといわれる。また、漁民たちの活動は、内陸文化の形成にも大きな影響を与えてきた。近年、海と日本文化との関係が見直される中で、漁の持つ重要性が注目されつつある。そこで本号では、漁、漁場に焦点をあて特集を組むこととした。
OBAYASHI IDEAではわが国の沿岸漁業の最も華やかだった時代を代表する鰊(にしん)漁に着目。3月から5月までの漁で1年を暮らす、特殊な経営形態をもつ鰊漁とはいったい何だったのか。明治中期に屈指の漁場主として活躍した田中家の漁場について、建築(鰊御殿)と産業の両面からの復元に挑戦した。
(1989年発行)

ニシン漁・運上屋・番屋

遠藤明久

OBAYASHI IDEA

明治30年北海道泊村(田中家)における『鰊漁場』の想定復元
鰊御殿(旧田中家・番屋)の復元

建築復元 大林組プロジェクトチーム、監修:遠藤明久
産業復元 真島俊一・TEM研究所

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漁師気質

大島襄二

対談「漁と日本人」

谷川健一(日本地名研究所所長)×網野善彦(神奈川大学短期大学部教授)

漁場としての日本列島

川添登

世界の漁場

「漁場」の文献120