季刊大林No.10

「廓」

くるわーー廓。曲輪。それは何らかの形で外の世界と切り離された別世界。都城、城郭、法城、遊廓など、ある地域を限定し、土手や堀割などで区切り、独自の社会を築いた空間のことである。そこはまた、独自の文化を醸し、歌い、さらに外の世界へ還元し、大きな影響も与えてきた。本号では、そうした閉ざされ、また開いた空間としての"くるわ”の再発見を試みた。
遊廓については、建物がどのようなものであったかは、ほとんど伝えられていない。OBAYASHI IDEAでは、種々のくるわの中から「遊廓」を選び、遊廓全体としての町並みを今によく伝えている金沢・東の廓の、建築の側面からの復元にチャレンジした。
(1981年発行)

都市の占有空間

加藤秀俊

対談「京の文化・江戸の文化」

林屋辰三郎(京都国立博物館館長)×西山松之助(東京教育大学名誉教授)

OBAYASHI IDEA

金沢「東の廓」の復元

復元:平井聖(東京工業大学教授)
協力:大林組プロジェクトチーム

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男と女のいる空間

石毛直道

川柳・吉原行

遊廓の形成

グラビア:「くるわ」

「遊廓」の文献111